DIARY:私のローマ / ジャスミンの花香る頃に その2

 

 

私のローマ / ジャスミンの花香る頃に その2

 

 

夜明け前のローマ、
コッレ・オッピオ公園 Parco Del Colle Oppio の方から聞こえる
美しい鳥の声で私は目覚めました。

重い鎧戸と窓を開け、耳をすまして鳥の声を聞いていると、
次第にローマの街は陽光に包まれ、旅の二日目が始まりました。

 

 

ボスケット通りのスター・ジャスミンの花。泊まったホテルではないけれど、下町らしい可愛い窓。

 

ホテルを出て、大好きなボスケット通りVia del Boschetto を歩き、
ナツィオナーレ通りVia Nazionale の
カフェ・カストローニ Caffe Castroni で カップッチーノとコルネット(クロワッサン)の朝食。
カストローニはローマに支店がたくさんある老舗の食材店で、
コーヒーやキャンディなども量り売りしているので気軽なお土産におすすめです。

 

クアットロ・フォンターネ通り Via delle Quattro Fontane へ曲がって
修復の終わった四つ角の噴水にたどり着くと、ああ、ローマに帰ってきた、と実感がわきました。
こんなに美しい噴水が、街角の四辻にあるのがローマらしさです。

 

クアットロ・フォンターネ通りの四角の噴水のうち、テヴェレ Tevere 。テヴェレとはローマに流れる川のこと。「ただいま」って声をかけた。

 

クアットロ・フォンターネ通りの四辻の噴水の一つテヴェレと、宝石のように美しいボッロミーニ作のサン・カルロ・アッレ・クアットロ・フォンターネ教会。入り口が狭く入りづらいですが、教会内部は必見。

 

 

雨上がりのクアットロ・フォンターネ通りの上り坂、
イタリアの空色とスター・ジャスミンの花の甘い香り。

そして、久しぶりの国立古典絵画館  Palazzo Barberini  へ。

 

国立古典絵画館・パラッツォ・バルベリーニのファサード。

 

 

国立古典絵画館  Gallerie Nazionali d’Arte Antica di Roma (Palazzo Barberini)は、
パラッツォ・バルベリーニ(バルベリーニ宮)と呼ばれ、親しまれていて、
バルベリーニ家の所有だった美しいバロック建築の宮殿を、
現在は絵画館として使用しています。

設計は当初バロック建築の先駆者のカルロ・マデルノ(Carlo Maderno 1556 – 1629)が手がけ、
彼の死後は、ベルニーニ (Gian Lorenzo Bernini 1598 – 1680)や
ボッロミーニ (Francesco Borromini 1599-1667 )が引き継いだと言われています。
1階から3階までの様式の移り変わりが見事な、ローマを代表する宮殿です。

 

 

パラッツォ・バルベリーニの門。

 

パラッツォ・バルベリーニのファサードの窓。1階はドーリア式、2階はイオニア式の渦巻き飾り。古い窓ガラスには古の空色が映っているよう。

 

絵画館のエントランス。この宮殿に”住む”美女のおふたりがお出迎え。ラファエッロ作「ラ・フォルナリーナ」と、カラヴァッジョ作の「ユーディト」のたれ幕。

 


国立古典絵画館はローマの中でも早朝から入館可能な美術館。

開館日 :火曜日〜日曜日
休館日 :月曜日、12/25、1/1。
開館時間:8:30〜19:00(切符売り場は18:00まで)
入場料 :7ユーロ(2016年11月現在)。
※トラステヴェレ地区・国立コルシーニ宮美術館との共通券は9ユーロ(3日間有効)
アクセス:宮殿の北側に地下鉄A線の バルベリーニ駅  Barberini があり徒歩1分ほど。
Via delle Quattro Fontane, 13
00184 Roma, Italia
公式サイト → こちら


 

1階は後期ゴシックと初期ルネッサンスの絵画の展示で見ごたえがあり、
フィリッポ・リッピの受胎告知も。
2階は部屋ごとに各派や時代、テーマに沿って、絵画が展示されています。
ラファエッロ、ホルバイン、グエルチーノ、カラヴァッジョ、ブロンズィーノなど。

 

パラッツォ・バルベリーニのベルニーニによる2階への階段。ローマで好きな場所のひとつ。

 

パラッツォ・バルベリーニの2階への階段。息をのむ美しさ、ローマらしい空間。

 

 

淡い色の石材、トラヴァーチンを用いたたっぷりとした空間。
このまま、ここで透明になってしまいたい、というような気持ちになる所がローマでいくつかあって、
ここもそのひとつ。

 

国立古典絵画館・パラッツォ・バルベリーニ 2階に展示される
ラファエッロ作の「ラ・フォルナリーナ」は、
個人的な意見として本当にラファエッロの作品なのか?と、いつも疑問に感じます。
彼の死後に発見された作品で、愛人を描いたとされていますが、
特に、顔の部分は後から加えたように表面的で、
頚椎と頭蓋骨、顔のデッサンがわずかに狂っています。
けれどもこの狂いが絵の謎や魅力にも繋がって、
筆致は大変なめらかで高貴さもあり、
不思議な吸引力がある作品だと感じます。

ローマを描いた美しい映画、パウロ・ソレンティーノPaolo Sorrentino監督の作品
「La grande bellezza(邦題:グレート・ビューティ)」2013年 にも
暗闇にこの絵が展示されているシーンが出てきます。

 

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国立古典絵画館の売店で、
記念にバルベリーニ家の紋章の蜂を可愛くデザインした、蜂型のキーホルダーを購入。
キーホルダーの色もトラヴァーチンの淡いピンクをチョイス。

2時間半ほど絵画館で過ごし、
ボッロミーニの手がけたサン・カルロ・アッレ・クワトロ・フォンターネ教会
Chiesa di San Carlo alle Quattro Fontaneを拝観して、
ナツィオナーレ通りのツーリスト・インフォメーションへ
ローマ パス Roma Passを買いに行きました。

 

ナツィオナーレ通りの交差点から、サンタ・マリア・マッジョーレ教会を望む。

 

Roma Pass は、ローマ市が発行している観光定期券で、
ローマに短期滞在し、美術館や博物館、遺跡巡りをされる方におすすめです。
美術館や博物館によっては共通券を発行して割引をしているので、
Roma Passがすべてのツーリストにお得とは限りませんが、
ローマの公共交通機関のバス、地下鉄、トラムも限定期間内は無料になり、
特にバスでの使用は初めの1回だけ刻印して、あとは見せるだけなので、
泥棒の多い車内では安心で、私は3日間のパスを購入しました。
地下鉄は日本のSuica カードのような使い方です。→ イタリア政府観光局のページ

 

ナツィオナーレ通りから、
セルペンティ通り Via dei Serpenti へ曲がって、リオーネ・モンティ地区へ帰ります。
裏通りに入ると、また、ふわっとスター・ジャスミンの花の香り。

 

ウルバナ通りからジンガリ広場のジャスミンを望む。

ウルバナ通りからジンガリ広場のスター・ジャスミンを望む。

 

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ホテルに戻りレイト・チェックアウトし、
次の滞在先の修道院のチェック・インまで少し時間があったので、
ウルバナ通り Via Urbana にあるロゼッタパン専門店  Zia Rosetta
スムージーと、ズッキーニの花&チーズのパンをランチに。

大好きなリオーネ・モンティ地区、
若い頃にお世話になったお店はほとんどなくなったけれど、
すっかり都会的になって素敵なお店が沢山できていました。

 


 

 

(最後まで読んでくださりありがとうございます)

つづく

私のローマ / ジャスミンの花香る頃に
目次

その1:リオーネ・モンティ地区での滞在
その2:国立古典絵画館(バルベリーニ宮)、リオーネ・モンティ散策
その3:滞在先の修道院にチェックイン、フォロ・ロマーノへ
その4:ローマ国立博物館(マッシモ宮)、夜のヴァチカン美術館へ
その5:ローマ国立博物館(アルテンプス宮)、親友と地元ごはん
その6:パンテオンに降る真紅の薔薇のシャワー、ローマ散策&スケッチ
その7:古代遺跡でピクニック&スケッチ、地元ごはん、ローマ散策
その8:ブラマンテの回廊で朝食、ローマの宮殿や遺跡で花のスケッチ

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筆者:
望月麻里(もちづき まり)画家・イラストレーター Contact

清泉小学校、清泉女学院中・高等学校卒業。
東京芸術大学美術学部絵画科 日本画専攻卒業。
1994-1995年にアーティスト・イン・レジデンスでイタリア・ローマに滞在。

展覧会、グループ展出品多数、
東京、鎌倉を拠点に平面作品の発表を続けるかたわら、
料理家 辰巳芳子氏の著書の挿絵、絵本の挿絵、
Hallmark社のステイショナリーの原画を手がける。