DIARY:私のローマ / オレンジの樹と、鐘の音 その11

小道の奥へ

 


 

 

 

旅先でふらりと入り込んだ道が思いがけず素敵な道だったら嬉しいですね。

私の場合、一人で歩くことも多いので、事前にストリートビューで街をチェックするようにしています。

 

主に調べるのは美術館やギャラリーや画材店の位置。
スケッチのポイント、ホテルやアパート情報など。
今回の旅でもローマの城壁内の地図上に登録、表示されるギャラリーは地区ごとに全て事前にチェックしました。

 

そんな方法で、以前から気になるギャラリーを見つけていました。
地図上ではかなり狭いvicolo = 小道 のさらに奥まった所 にあり、添付されているURLを見ると、Lorcan O’Neill  ガレリア・ロカン・オニール という上質なギャラリーであることがわかっていました。

 

 

実際に現場に行って見ると、道の入口がわからずに一度通り過ぎてしまいましたが、引き返して小道の奥へ行ってみました。

 

↓  この小道です(画像はGoogle ストリートビューより拝借)。

 

 

 

 

小道に入ると、少し道幅は広くなっていました。
そしてなんだか素敵な道です。

 

 

 

 

 

 

 

そして、ギャラリーを見つけられました!
素敵! 奥行きがありますね。

 

 

 

 

 

 

門をくぐると、小さな庭に噴水がありました。ローマ的です!

 

 

 

美しい椅子のオブジェも。

 

 

 

 

ギャラリーの入口の清潔感!  洗練された雰囲気です。
ドアの上部だけがクリアなガラスになっているのも素敵です。

 

 

 

 

この当時(2016年12月)は Gianni Politi 氏の作品展を開催中でした。

 

ここ、ガレリア・ロカン・オニール は想像通り上質なギャラリーでした。
ローマに15年ほど前にオープンし、フランチェスコ・クレメンテ、キーファー、リチャード・ロングなど大御所の作品も取り扱うギャラリーです。拝見できて良かった!
WEBサイトも英語で展開されています。

 

 

 

 

 

 

 

ギャラリーのある小道のグラフィティも洒落ています。

 

 

 

 

この道は安全と判断し、小道のさらに奥へ行ってみました。。。

 

 

 

小道の一番奥にさらにギャラリーを発見!
ここは地図では表示されなかったので嬉しい出会いです。
ジャンクっぽい雰囲気ですが、窓ガラスも磨かれ清潔感溢れていました。

 

Broken Fingaz というアーティストでしょうか?
何点もの平面作品が売約済みで、作品も展示構成も素晴らしかったです。
この強い個性を受けとめるローマの寛容さ、成熟度を感じました。
作家のスタジオを再現したようなコーナーがいくつもあって、愛嬌ある空間を創り出していました。

 

 

 

 

 

小道の奥を曲がるとこんな建物も。
外壁にフレスコ画が施されています。

調べてみると、この建物か手前の建物がバロック時代の佇まいを売りにした、
小さな アパートメント になっているようで、私の好みではないけれど、なかなか素敵なお部屋です。

 

 

空色を映す窓が美しい。

 

 

振り返ると、先ほど来た道です。
アーチの下にはナゾーネ Nasone (水飲み場)がありました。
入口が狭い小道の vicolo dei catinari ですが、思いがけず、現代美術のギャラリーを二軒も抱える素敵な道でした!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

ナヴォーナ広場の北側から西へ真っ直ぐに伸びるコロナーリ通り Via dei Coronari の周辺のポンテ地区 Ponte や、ナヴォーナ広場の西のパリオーネ地区 Parione は観光客の方でも気軽に小道散策できるように思います。

 

 

 

 

 

 

界隈のキオストロ・デル・ブラマンテ Chiostro del Bramante も様々な企画展を開催している美術館です。

 

 

 

 

当時は、愛についての企画展「Love」展開催中で、偶然にフランチェスコ・クレメンテの作品を拝見できました!

 

 

 

 

コロナーリ通り沿いのサン・シモーネ広場 Piazza di S. Simeoneの噴水。

 

 

 

 

コロナーリ通りから曲がった、ヴィーコロ・デッラ・ヴォルペ Vicolo della Volpe 通り。

 

 

 

ローマに限らずイタリアの小道は自然と橋や教会前の広場に着くようにできていて、迷いながらも、どこか身を任せて心穏やかに歩けるのです。