Mari Mochizuki

スミレの花をたずねて 2:裏磐梯へ

 

 

 

春の山野草やスミレをたずねて、昨年に続き裏磐梯を旅しました。

 

 

 

 

裏磐梯は磐梯朝日国立公園に属した標高800mほどの高原です。
スプリング・エフェメラル=春に最初に咲く妖精のような花々が5月半ばでも観察することができます。

 

 

今春、銀座・伊東屋で開催した作品展「花・庭・旅」展で、作品展の案内状に用いた花のブーケの素描「春・雪国にて」も、昨春に裏磐梯で描いたものです。

オオヤマザクラ、オオタチツボスミレ、ニョイスミレ、マイヅルソウ、シロツメクサ、アケビ の花などを描きました。
国立公園内ですから花の採取はせずに、現地での細かなスケッチをもと、画面でブーケに再構成して描く技法を用いています。

 

裏磐梯へ初めて旅したのは、東日本大震災後の2013年の秋。
福島県郡山市在住の知人を見舞う旅でした。

この時は、磐梯高原で磐梯山の初冬の風の中で、自生するアキグミの素描を描き、チャリティ展  サポサポproject  出品する絵葉書にしました。

 

 

山からの冷たい風が感じられる素描 アキグミ・裏磐梯にて(C)Mari Mochizuki

 


 

 

 

 

東京駅から磐梯高原行きのバスに乗車、休憩に立ち寄る、羽生SAの「いがまんじゅう」 (小豆餡の饅頭が赤飯に包まれている)と、那須高原SAの「関東・栃木レモン牛乳」をいただくのが密かな楽しみ。

 

那須高原や界隈の山はフジの花が満開でした。
そして、磐梯高原へ登ると残雪が。まだまだ寒い。

 

裏磐梯の雪解けの頃の山の桜

 

 

滞在先のホテルにチェックイン、ツインの広さでゆったり過ごせました。
部屋の右側に広めのライティングデスク、自然光も綺麗で絵を描くのに気に入っています。
私は右利きなので、左側に光源があるように部屋を指定します。

 

 

 

早速、五色沼自然探勝路を歩きました。

 

五色沼自然探勝路・青沼

五色沼自然探勝路・毘沙門沼

ミヤマスミレがたくさん咲いていました。雨なので花は閉じ気味。

ミヤマスミレ。苔と褐色の松葉がセットのたたずまい。

 

 

五色沼の往復ですっかり身体も冷えてしまい、ご当地の喜多方ラーメンであたたまりました。

 

 

 

スケッチ旅行は散策が終わって部屋に戻ると、全身疲労で21時前には寝てしまいます。
その分、早起きして高原の光の中を歩くのが生活のリズムに。

 

二日目以降は、お天気の日もありましたが、山の天候は変化しやすいのと紫外線も強いので準備を整え無理せずにスケッチに出かけました。

 

 

車道沿いで群生で咲きほこっていたアリアケスミレ。鎌倉のものより純白。

黄色い花はリュウキンカでしょうか?描きたかったけれど沼で近づけませんでした。

 

 

 

トトロのように雨宿りの、オオタチツボスミレ。
下萌えの草も愛らしい。

 

小さな小さなコスミレ

 

 

 

部屋に帰り、スミレの花のおさらい。
ボタニカルアートのように描きたくはありませんが、一番大きな唇弁(しんべん)の後方に突き出す距(きょ)は形も様々で、丁寧に描きたいと思っています。

 

 

 

 

 

村役場内の裏磐梯観光協会のスタッフによると、熊は出ないそうですが、熊鈴をつけて散策します。

 

 

快晴の日は小鳥達も元気に歌い、キツツキのドラミングが森に響いています。

 

五色沼自然探勝路・るり沼から磐梯山を。

 

 

 

カフェでいただいたキッシュがご当地の伝統野菜を使っていました。
立川牛蒡(たちかわごぼう)は会津坂下町立川地区で多くつくられていた牛蒡で、質が大変柔らかいそうです。

そしてドリンクはサルナシのジュース。
山に自生する小粒のキウイのような果物です。
美味しいので猿が食べてなくなってしまうことからサルナシと言うそうで、ジュースには香料や色素が入っていると思いますが、こちらも美味しかったです!

 

 

 

 

 

 

松林には松葉がふんわりと積もりタチツボスミレの群生。林一面にこの風景でした。

オオタチツボスミレ、ミヤマスミレ、ニョイスミレが咲いていました。

 

 

森の中で、呼ばれるように小道を進むと、一面のスミレ、という風景がいくつもありました。
目の前の世界は、自分が見たいから見えるもの、自分で創り出しているのかもしれません。

 

ティーンの頃から大好きなアーティストPrinceの詩に An ocean of violets in bloom という表現があることを思い出しました。
Princeはミネアポリスというカナダに近い湖が点在する地で育ち、生涯そこで創作を続けましたから、実際にこのような風景を目にしていたかもしれません。

 

 

 

ミヤマスミレ・裏磐梯にて(C)Mari Mochizuki

 

 

自然に入ってスケッチをすることは、日常の延長でできることです。
一方、それらを絵にしていくことは時間がかかります。
「すみれ絵」展は四回を数えましたが、納得する作品はごくわずか。
一層、創作に集中し精進してまいります。

 

 

 

 

こんな風にひとりで旅に出してくれる家族に感謝しています。

ささやかですが、旅土産は立川牛蒡のキッシュ、山で求めた山菜の こごみ をペンネに仕立て、ディナーにしました。

 

 


(最後まで読んでくださりありがとうございます)

 

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