夢への一歩
私の心の故郷、ローマのモンティ地区 Rione di Monti。
1994年からアーティスト・イン・レジデンスで滞在しました。
ローマの中では比較的大きな地区で、私が滞在したのはモンティ地区の地下鉄B線 Cavour カブール駅界隈。
コロッセオやフォロ・ロマーノまで徒歩10分もかからない、古代ローマのインスラと呼ばれる庶民の住居の名残ある街です。
現在、この地区で私の小品展(個展)の企画をいただき、ローマ ⇄ 日本 で連絡を取り合いながら準備を進めています。会期は未定ですが来春(2019年の春)になりそう。
小品展の準備の模様を、こちらで少しずつ綴っていこうと思います。。。
2016年5月。
ローマへの久しぶりの旅で出会ったブティック、ノット・ユア・ドールズ Not Your Dolls 。
ジャスミンの花の香りが漂う裏通りに、何とも、とんがった可愛らしい名前に魅かれ入ってみたのです。
店内をよく見ると、なかなか都会的で洗練された品揃え。
デザイナーの Paola さんが、店内の隅々まで気を入れていることが伝わってきました。
ジンガリ(ジプシー)通り Via degli Zingari のボヘミアンな雰囲気にもぴったりな佇まいです。
Not Your Dolls ではファッションだけでなく、アーティストのグッズやプリント作品をセレクトしていて、初めて伺った時に、私はメランコリーな雰囲気のプリント作品を購入。
雨が多かった滞在もこの作品にイメージを重ねて、楽しい思い出になりました。:)
Paola さんはシャイで控えめな方ですが、なんとなく相性が合う事がお互いに感じられました。
お店の前を通るたびに、ディスプレイを丁寧にほどこされているのが垣間見られ、また、私に Mari ! と声をかけてくださるような方なのです。
2016年12月の私のローマ旅行では、Paola さんが近々始まるアーティスト Lisinka さんのオープニングにFacebookで 招待してくださいました。
この時、Paola さんには 私が 原画を手がけたホールマーク の商品と抹茶チョコレートをプレゼント、初めて、私も絵を描くことを自己紹介しました。
Paola さんはホールマークの商品を大変気に入ってくださいました。
個展のオープニング・パーティーに伺った、若きアーティストの Lisinka さんはローマのアカデミア出身で、絵が大変に上手い方でした。小品展ですが丁寧な構成でしたよ。
気に入った作家の展覧会では、私は印刷物などを購入して参考にします。
この時は Lisinka さんのプリント作品を購入。
プリントといっても手刷版画ではなく、印刷のような、用紙も光沢感も日本では見かけないカテゴリ。
ジークレー版画でしょうか?オリジナルのネームタグ風のシールや名刺などの作りも丁寧でした。
羊皮紙風の紙に鉛筆と白い色鉛筆の絵は、私の手法にも似ていました。
オープニングはお芋とローズマリーのピッツァなどをつまむ下町っぽいアペリティフ♪
2016年12月のローマの旅から1年以上経ったある日、キュレーター(アートプロデューサー?) の Rossana さんから、Not Your Dolls での作品展の企画のメッセージをいただきました。
ちょうど、ローマでは広重や北斎、漫画の展覧会が続けて開催され、日本文化への関心がさらに深まった時期でしょうか?小さなブティックでの小品展が、ちゃんと専門家によって構成されるのも興味深いです。
急遽、私の英語のポートフォリオをローマ在住で日本人のグラフィック デザイナー Mika さん に翻訳していただき、イタリア語のポートフォリオとして再構成し、ローマに送りました。
ローマで、小さくてもいつか展示を、と願ってギャラリーを歩いていましたが、思いがけない展開です。
” 夢への一歩 ” を 歩み始めました。。。