滞在先の修道院にチェックイン、フォロ・ロマーノへ
旅の二日目の午後。
滞在先に決めていた修道院の部屋へチェック・インしました。
イタリアには観光客が宿泊できる教会関係の施設がたくさんあって、清潔な部屋と修道院ならではの安心感に魅力を感じ、今回はこちらを選択。
部屋にはTVもなく簡素ですが、私はもともと自宅にも仕事場にもTVを持っていないので気になりません。
修道院の受付にいらっしゃるシスターは、iMacやiPadを駆使して宿泊者の予約や観光のサポート。
数カ国語をテキパキとこなし、大変素敵な方でした。
果物や日用品の買い出しに行った後、夕方の散歩はバッチナ通り Via della Baccina からスタート!
以前、この界隈にあった彫刻家の Fabio Crisara 氏のスタジオに伺った時、地下の古代遺跡の空間での”秘密”の展示も見せていただきました。
蝋燭で照らされた闇の中に古代遺跡の煉瓦やアーチが見えそこにFabioさんの美しいブロンズ作品も展示されていて、ローマらしいインスタレーションと、この街のスケールに圧倒されました。
イタリアの古都には、今でも地下に古代の街が眠っています。
バッチナ通りの突き当たりは古代ローマ遺跡のアウグストゥスのフォロ・Foro di Augusto。
ローマ皇帝たちの築いたフォロの跡で、美しいコリント式の列柱が、通りから見られるほど近いのです。
少し歩いて、久しぶりのフォロ・ロマーノ Foro Romano ♪
朝は雨模様でしたが晴れてきました。雨女なので嬉しい〜。
ローマの七つの丘のひとつ
パラティーノの丘・Monte Palatino も登りました。
ローマには七つの丘があり、パラティーノの丘は最も古い歴史があります。
神話では、軍神マルスの双子のこどものロームルスとレムスが、ここで鳥を数える鳥占いをし、ロームルスに軍配があがってローマを建国したとあります。
20歳代の頃、パラティーノの丘に月に2〜3回は来ていました。
その後、ローマを再訪しても、やっぱりまた来てしまいます。
こんなに風化されているのに品格があって、私にとって心の座標軸のような場所です。
フォロの一角、自生のハマナスか原種バラでしょうか?
根元にはアカンサスの花。
アカンサスの葉は古代ギリシャ以降、様々な装飾や文様に用いられています。
特にコリント式の柱頭の意匠はローマで発展したので、目にする機会も多く、現代でもテキスタイルや家具などのモティーフで用いられています。
また、古代ローマ人はバラを愛し、バラの花びらのシャワーを浴びながらの宴も催されたそうです。
アルマ・タデマの作品: The Roses of Heliogabalus By Alama Tadema 1888
自生の原種バラとアカンサス。
何気ない風景ですが、数千年変わっていない景色かもしれません。
人々は植物と共にあって、時に愛で、成分を活用し、イメージをひとつひとつ具体化して文化を築いてきたのですね。
空にはたくさんのツバメが舞い、歌っています。
散歩を終え、モンティ地区に帰りました。
マドンナ・デッラ・モンティ通り・Via della Madonna dei Monti のカフェがユニークです。
昨夜、ローマに着いたばかりなので無理せずにマドンナ・デイ・モンティ広場・Piazza della Madonna dei Monti のカフェテリアで、早めの晩餐、まずは、ジャスミンの花の下で冷えた白を。
このカフェテリアのある広場は、アメリカの映画監督 ウディ・アレン Woody Allenの2012年の作品
『To Rome with Love(邦題 ローマでアモーレ)』にも少し登場します。
当初、監督は、『Nero Fiddled』という仮題をつけていたそうです。
古代ローマ皇帝のネロはローマが大火に包まれている時にも呑気に楽器を奏でていた、大切なものが壊れようとしているのに、呑気にしている様を表しているそうです。
皇帝ネロの宮殿跡の谷間に位置するこの広場、ネロの名残を感じられるので面白いエピソードです。
広場から滞在先の修道院の部屋に戻ると、礼拝堂からのお香が上階にも静かに聞こえてきていました。
私にとっては心落ち着く香りです。