Mari Mochizuki

DIARY:私のローマ / 長い長い夢 その2

Not Your Dolls と 私

 


 

 

 

 

 

ローマ・Monti(モンティ)地区、
Not Your Dollsというショップでの小品展(個展)が決まり、
開催まであと2ヶ月弱と迫りました。

展示に向け、日々、様々な準備に追われていることが楽しいです。
春のローマにご滞在、ご旅行の方は、ぜひ、お運びください。

 

 

望月麻里 作品展
Japanese Garden di Mari Mochizuki 望月麻里

キュレーター:Rossana Calbi

会期:2019年3/20(水)〜 2020年3/31(火)

定休:月曜日
場所:Not Your Dolls
住所:Via degli Zingari, 51/B, 00187 Roma RM
時間:火・水 15:30-20:00、木・金・土 11:30-20:00、日 16:30-21:00

※会場の都合で時間が変更になる場合があります。
※作家は会場にはおりません。

 

 

長く夢見ていたローマでの展示。

今回はギャラリーの展示ではありませんが、
尊敬するアーティストの先輩からも
絶対に企画に応じるべき!とお言葉をいただいて、
ローマだから、きっと色々あっても想定内、心から楽しみたいです。

 

 

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ローマの地下鉄B線 Cavour駅近く
Monti 地区にある Not Your Dollsという小さなショップとの出会いは、
今、思い返すと不思議なつながりも。

(Not Your Dollsで展示をすることになった話題は前回の記事に。→ こちら

 

 

 

 

 

 

 

現在、このwebサイトのメイン画像の一枚で使っているこのペン画。
10年以上前に、望月麻里のオフィシャルサイト を開設する際に、
TOPページのイメージ画像として描いたものなんです。

 

 

このペン画は、1994年から私が滞在した、
当時はまだ職人街だったローマのMonti地区がイメージで、
その一角に、私の小さな工房があったら。。。と想定した架空の風景。

Monti地区は現在はエキゾチックでおしゃれなスポットですが、
その頃は、噴水広場に放し飼いの大型犬がのんびり歩き、
各ドアの前には椅子が置かれ高齢者がおしゃべりをするような、
テルミニ駅からもコロッセオも近いわりにパッとしない、
誰も歩いていない長閑な地区でした。

 

 

 

2016年夏にwebサイトをリニュアルすることになり、
webデザイナーから、新しいwebサイト用の横長サイズの画像を求められ、
旧サイトで使用していたこのペン画と、
2016年5月にローマで撮影した写真を急いで合成し再利用しました。

 

 

 

 

白い猫がいる入り口の前に構成した自転車は写真を合成したもので、
Not Your Dollsの前で撮影したことを、最近、思い出しました、
Google Earthでお店周辺を再確認していて気づいたのです。

 

 

 

 

 

2016年のジャスミンの花咲く頃
ローマ滞在の初日に散歩していて、
このグラフィティ(落書き)が気に入って撮影したのでした。
写っている自転車を合成で使うとは、この時は想像もしなかったです。

 

 

 

 

壁を撮影し、後ろを振り向くと、
Not Your Dollsなんて、とんがった名前のショップがあったのです。

可愛いし気になるショップでした。

 

 

 

 

このショップと出会った時は、
まさか、今後、ここで展示をするなんて思いもせず、
デジャヴ・既視感のような風景を、
私は自分のwebサイトのリニュアル時点で構成していました。

 

 

 

 

 

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1994年からのローマの滞在は、
アーティスト イン レジデンスと言っても、
初めての海外生活で、後ろ盾もなく(または上手く甘えられず)
私にとって辛いことも多くありました。

また、その後、帰国して私は癌を患って後遺症に苦しんだため、
なかなかローマを再訪できず、心残りもあり、
きっと、私の魂の一部はMontiに漂っていたでしょう。

 

 

けれども、なんとか身体と相談しながら等身大の絵を描き続け、
流れに逆らわず、いろいろな絵の仕事をしているうちに、
この街 Monti へ帰ってこられました。

一つ一つの仕事の蓄積の結果、人生って不思議。
そして、癌を患った私が生きていること自体にも感謝です。。。

 

 

Monti地区の歩き辛い石畳。古代からの街並み残り、地下には遺跡が多く眠っています。

パニスペルナ通り、坂の上は大学。

Monti地区名所の噴水広場、噴水はベルニーニ(父)の作品で古地図にも載っています。

 

 

 

2016年のローマ滞在で、通算1ヶ月お世話になった修道院は、
残念ながら昨年末で閉鎖されてしまいました。
清潔なお部屋で、親切で、でも、ちょっとゆるくて大好きでした。
シスター方に展示を観ていただきたかったです。

 

ですから、今回は滞在先探しも生じました。
アパートは一人では広すぎて割高だったり、エレベーターがなかったり、
壁がカラフルすぎて苦手だったり、中心地まで遠かったり、
仮予約したアパートは近所で殺人事件があってキャンセルしたり。。。
レヴューの良い修道院を仮予約するも、部屋で飲食不可が判明し断念。
(でも、この修道院は今後、滞在したいです。)

ようやく前半は Monti地区の小さな B&Bに、
後半はMontiを初めて離れてParioli地区のアパートです。

 

 

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昨日、仕事の打ち合わせで立ち寄った銀座 教文館さんで、
須賀敦子さんの詩集を見つけました。

須賀さんが30歳の頃にローマで綴った詩を編んだものだそうで、
同じくらいの年齢の時に、私もローマに住んだので興味深く読んでいます。

 

 

 

 

ローマでの小品展は、日本画やペン画ではなく、
鉛筆、色鉛筆、日本画の画材で描いた日本の花の絵をメインに展示します。
キュレーターはRossanaさんという若きインディペンデント キュレーター。

これから、少しずつ、展示についても書いてまいります。
お楽しみになさってください。 😉

 

望月麻里