パンテオンに降る真紅の薔薇のシャワー、ローマ散策&スケッチ
旅の五日目。
少し早起きをして、
ペンテコステ Pentecoste という、
キリスト教のミサに行くことにしました。
キリストの復活から50日目の聖霊降臨(せいれいこうりん)を祝うミサです。
ペンテコステのミサは各地の教会で行われますが、
私はローマのパンテオン Pantheon のミサに参列します。
(記事は2016年のもので2017年のペンテコステ6/4、2018年5/20、2019年6/9です)
お天気だったので、パンテオンまで散策。
コルソ通り Via del Corso を
ドリア・パンフィーリ美術館 Galleria Doria Pamphilj の角で曲がって
ファッキーノの噴水 Fontana del Facchino に挨拶。

ちょっと怖いファッキーノの噴水
この噴水は、トレヴィの泉と同じ水源のヴィルゴ水道からで、
ローマの街角にある「もの言う像」として知られています。
古からローマでは、皮肉や風刺詩を紙に書いて像に張ったそうで、
この他にパスクイーノ(ブラスキ宮殿裏)、
マルフォリオ(カピトリーノ)などの像があります。
道なりに進むと、ミネルヴァ広場 Piazza della Minerva。
エジプトのオベリスクを担いだ仔象は人気者です。
オベリスクの奥に見える不思議な丸いレンガの建物が
パンテオン(背面)です。

ベルニーニ工房による仔象の彫刻と、エジプトのオベリスク。

パンテオン正面
パンテオン前のロトンダ広場 Piazza della Rotonda は、
ミサが始まる3時間以上前でも人であふれていました。
ミサの後に「薔薇の日曜日」と言って、
真紅の薔薇の花びらがパンテオンや広場にまかれるのです。
意外にも若い方が多く、コンサート会場のような熱気でした。
ミサは観光行事ではなく信者や人々の祈りの場です。
撮影はいかがとは思いましたが、
シスター方もiPhoneで撮影していらしたので(笑)、
私もそっと1枚だけ撮影。
床に真紅の薔薇の花びらが降り積もり、
その上を司祭たちが祈り歩かれる場面は感動的でした。

聖霊降臨を象徴する真紅の薔薇のシャワー

ロトンダ広場にも花びらが降り積もる
このミサに参列したい気持ちをずっとあたためていたので、
この日に、この地に立てた事、
健康でいられる事に感謝しました。
パンテオンのペンテコステ(聖霊降臨)のミサ
※ 毎年 ペンテコステの日にちは変わります。
パンテオン Pantheon
Piazza della Rotonda, 00186 Roma
ミサの後、パンテオンの裏手にあるカフェへ。
サンテエウスタキオ広場 Piazza di Sant’Eustachio の
カフェ に立ち寄り一服 ♪

Sant’Eustachio Il Caffè・サンテウスタキオ・イル・カッフェは、ローマだけでなく世界中からのファンが訪れる。
広場に面する聖堂のファサードには、
聖人エウスタキオの象徴でもある鹿の彫刻。
狩りの途中で出会った鹿(角の間に十字架を持った)に啓示を受け、
軍人だったエウスタキオはキリスト教に改宗したと言われています。

Basilica di Sant Eustachio in Campo Marzio。聖エウスタキオ・カンポ・マルツィオ聖堂のファザードに、十字架のある鹿の彫刻
ミサにも参列でき、美味しいコーヒーをいただいて満足!
日曜日のローマを歩いて帰ります。
朝に来た道のドリア・パンフィーリ美術館の横から
コルソ通りを横切って、
裏道のサンティ・アポストリ通り Via dei Santi Apostoli 。
ローマらしい茶目っ気のある落書きに思わず微笑む。

漆喰壁の剥落をアフリカと見立てる面白さ。
ヴァッカロ通り Via del Vaccaro 。
橋がつなぐ右手の建物はサンティ・アポストリ教会
Basilica dei Santi XII Apostoli a Roma、
左手は教皇庁の聖書研究所の建物です。

なじみの道。
サンティ・アポストリ教会はコロンナ家の菩提寺。
この教会には、ミケランジェロが晩年に心かよわせ、
多くの愛のソネット(詩)を贈った、
ヴィットリオ・コロンナ(コロンナ家の未亡人・詩人)が眠っています。
ミケランジェロも死後、ひとときの間、
この教会に亡骸が安置されていたそうです。
この界隈の古い石材や壁に
ミケランジェロのソネットや足音が
刻まれているかもしれませんね。。。
通りを曲がって、
ピロッタ通り Via della Pilotta の美しいアーチのリズム。
壁面の上の庭園は、イタリア共和国大統領官邸のある
クイリナーレの丘(ローマの七つの丘の一つ)へ続きます。
ピロッタ通りは、個人的に思い出深い道です。
この画像と反対方向に進むと、トレヴィの泉に着くのですが、
ローマに初めて訪れた1994年9月の到着翌日の早朝、
あてなく歩いていた私をトレヴィの泉へと導いてくれた道です。
画像の進行方向少し進んだ右手には、
パラッツォ・コロンナ Palazzo Colonna の見学用入口があります。
パラッツォ・コロンナのギャラリーは
ローマン・バロックの宝石箱とも言える美しさ。
土曜日の午前中しか開いていませんが、必見です。
日本の方には、アメリカ映画「ローマの休日」で、
ラストシーンに登場する宮殿、と、お伝えする方が
わかりやすいかもしれません。

アコーディオンを背負ったおじさまが前を歩く。

古の煉瓦と漆喰、現代の落書きと。
モンティ地区に戻って、
コンティの塔 Torre dei Contiとローマの松。
滞在先の修道院近くの食堂で昼食後、シエスタして、
近所で少しスケッチをしました。
トライヤヌスの市場跡に隣接する
サリタ・デル・グリッロ Salita del Grillo にて。

サリタ・デル・グリッロにて:画 望月麻里(鉛筆、色鉛筆)