旅の終わり ヴェンティ・セッテンブレ通り
ローマでの個展のための滞在、最終日の朝(2020年2月)。
滞在先のB&Bでチェック・アウトを済ませ、タクシーで出発するまでしばらく時間があるので、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂 横の停留所からバスに乗り、ヴェンティ・セッテンブレ通り Via Venti Settembre へ。
ピア門 Porta Pia からクイリナーレ公園 Giardini del Quirinale 手前のクアットロ・フォンターネ(四辻の噴水)までまっすぐ続くこの道は、私の母校の修道院やチャペルがあるので馴染みのある通りです。
ローマに来る度に、時間があると立ち寄るチャペル。
この地での個展が、皆様のお支えで無事に1年間続いていること、展示が南イタリアに巡回すること(2020年6月から展示予定だった)を祈り、母校の創立者の墓前に拙作の「 恵みの花束・A Bouquet of Blessings 」を供えました。
小学校1年生から高校卒業までご縁のあった母校の、本部のローマのチャペルで仕事の報告ができ、その月日の流れや巡りあわせは不思議で、感慨深いものでした。
チャペルからの帰り道にいつも立ち寄る書店があって、本を選んでいたら急にコーヒーが飲みたくなりました。
昔ながらの お菓子屋さん&カフェ のダニーノ Dagnino Pastry Shop and Café へ。
朝のダニーノのバンコ(カウンター)は地元の方でいっぱい。
宝石のように綺麗なお菓子を眺めながら、至福の一杯。
帰る方向が同じだったお爺ちゃま。
ダニーノのお菓子をたくさん買い込んでニコニコ顔でした。
B&Bへ戻って荷物を受け取り、タクシーで空港へ。
空港へ向かう車窓からは、春の訪れを告げるミモザ・アカシアの黄色い花が、あちこちに咲いているのが見えました。
。。。。。。。。。。。。。
DIARY 「 私のローマ / 長い長い夢 」のシリーズは、これでおしまいにします。
この章がこんなに長くなってしまうとは、2019年春の個展開始時には想いもよりませんでした。
個展の作品はローマに置いたままなので、再び、旅の記録を皆様に伝えることができますように。
感謝を込めて
望月麻里
付録 麻里のローマの日乗
●朝食
朝食は、街のバールや美術館のカフェでいただくことが多いです。
大好きな メルラナ宮殿 Palazzo Merulana のカフェテリアの朝食。
ザバイオーネのコルネット(クロワッサン)とカップッチーノ。
美術館を併設しているキオストロ・デル・ブラマンテ Chiostro del Bramante の カフェテリアに立ち寄ることも多いです。
ヴェンティ・セッテンブレ通りのバール ダンジェロ Bar Gastronomia D’angelo のブラウニーとカップッチーノは、母校のチャペルの近く。
ローマで一番好きなカフェテリアは某美術館の中にあります。
生ハムのパニーニと、この時はカモミール・ミルクティー。
ここのカフェテリアの空間と、スタッフと全てのメニューが好き。
● 昼食・夕食
私はお野菜が大好きなので、ローマでもサラダを注文することが多いです。
ニース風サラダやチキンサラダなど。ローマは果物も美味しいですね。
Canovaのチキンサラダ。
2019年春の滞在で、モンティ地区のB&Bからパリオリ地区のアパートへ引っ越し、ホッとして、ポポロ広場 Piazza del Popolo の Canova Piazza del Popolo でのんびり日没までテラスに座り読書して過ごしました。
Ostiaの Romolo の シーフードサラダ。
旅の途中で疲れている時には、魚介でタウリンを摂るようにしています。
翻訳家のMさんに教えていただいた、ナツィオナーレ通り Via Nazionale のエスポジツィオーニ宮殿 Palazzo delle Esposizioni 上階、Esposozioni のブッフェは美味しかった!
マルグッタ通り Via Margutta のベジタリアンのお店もお野菜の質が素晴らしかったです。
●パリオリ地区のアパート
私は滞在する部屋を選ぶ時に、安全性と清潔さ、壁にかかっている絵画で決めます。
だから、本当は修道院に滞在するのが好きです。
風景画や宗教画、18世紀のイタリアの画家 ピラネージの銅版画のコピーか、カラフルすぎないボタニカルな作品が壁にかかっているような、レトロな雰囲気の部屋が私は好きなのです。
ホテルの予約サイトで見つけたパリオリのアパートは朽ちそうに古いけれど、ピラネージのコピーがあちこちに飾ってあり貧乏画家でも滞在できる価格で合格!
足拭きマットに至るまでループ起毛のものが一枚もなく、アイロンのかかった上質なリネン類を毎日使えるのは幸せでした。
大きなクローゼット、靴置き場(磨いた靴を廊下から届けてもらえる小扉付き)大きな引出し箪笥、ソファー、リビングテーブル、ダイニングテーブル&椅子、潜水できる大きなバスタブ、トラムの停留所が近くにあり大変便利でした。
部屋とキッチンの全ての引き出しの底に、IL PAPIRO で売っているような、古典柄の紙が敷いてあるのも可愛かった。
ここ何?と、木製扉を開くと。。。
レトロなコンパクト・キッチンでした。
冷蔵庫、電気ポット、クッキングヒーター、電子レンジ、調理器具や食器、グラス、カトラリーなど、どこを見てもピカピカに磨かれ本当に清潔でした。
シンクの下の引き戸を開けると、大きな蓋付きの琺瑯製のゴミ箱、匂いが全くなく清潔で気持ちの良いものでした。
●モンティ地区のB&B
私の古巣のモンティ地区では、お気に入りの修道院に滞在していましたが閉鎖されてしまったため、代わりの部屋はイタリア人家族が経営するB&B。
大きな古い木戸を、古い鍵で開けて入るエントランス。
1〜2人乗りのレトロなエレベーターがあります。
シングルの部屋はコンパクトで、箪笥、石板のティーテーブルとアイアンの椅子、小さなカウンターと冷蔵庫、ポット、いつもクッキーがたっぷりの籐籠。
清潔なバスルーム、古い鐘楼が見える窓、WIFI完璧。
モンティ地区は自炊する必要がないくらいお店が多く便利です。
●アリタリア の機内食
成田〜ローマ間 直行の便利さでアリタリア を利用します。
羽田〜ローマ間 直行便搭乗も待ち遠しい。
緊急事態でない通常のフライトが可能な時期には、機内食は事前に特別食を予約できるので、ベジタリアン・ミールなどを選んでおきます。
以上、付録も書いてみました。
少しでも、ローマの雰囲気を感じていただけたなら幸いです。
近いうちに、若い頃のローマ滞在の絵日記を動画にする予定です。
お楽しみに。