友人たちと(メルラーナ宮殿、六甲、マリトッツォザロ)
ローマでの個展のための滞在、4日目の朝(2020年2月)。
サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂 と、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂 をつなぐ並木道、Basilica di Santa Maria Maggiore、Basilica di San Giovanni in Laterano メルラーナ通り via Merulana 。
モンティ地区 Monti とエスクイリーノ地区 Esquilino の境になります。
この通りの中ほどにある、メルラーナ宮殿 Palazzo Merulana で、ローマ在住の友人Rさんと待ち合わせです。
2018年に美術館としてオープンしたばかりのメルラーナ宮殿。
この宮殿は長い期間、荒れ果てた廃墟だったそう。
その後、数年間の丁寧な改築工事を経て、ローマの エレナ & クラウディオ ・セラシ財団蔵 の近代〜現代のイタリア美術作品を展示する場として生まれ変わりました。
街に美術館を点在させるのは、ローマが得意な街づくりです。
実は、2019年3月の個展開催のためのローマ滞在は、この宮殿の近くの修道院に滞在する予定でした。
部屋での飲食厳禁の規律の厳しい修道院でしたから、日々の軽食はメルラーナ宮殿のカフェテリアで、と考えていたのです。
この通りには人気のカフェテリアやパン屋さんもあって、滞在を楽しみにしていました。
ところが、滞在前に修道院の裏道で荒々しい発砲強盗事件があり、(ローマは道が1本違うだけで雰囲気が変わることがあります)個展前の緊張を一つでも無くすため滞在先を急遽、変更。
結局、2019年の1ヶ月滞在は慌ただしく過ぎ、メルラーナ宮殿には足を運べなかったのでした。
今回、初訪問で本当に嬉しかったです。
エントランスはチケット売り場と、本やグッズのセレクトが素敵なブックストア 。
早速、メルラーナ宮殿オリジナルの青いエコバッグを購入しました。

メルラーナ宮殿のエントランス、ローマの建造物らしいトラバーチン石がエレガント。
1階の奥はカフェテリアになっています。
宮殿の前の街路樹の足元にも綺麗な小花が植えられ、清潔さが街の品格を創り出している事が感じられました。
下の画像の左下、カフェテリア内の大きなモニターは、ナポリの国立博物館とリアルタイムにつながっている
Slide Door という” どこでもドア “のような試み。
手を振るとナポリの方が振り返してくれ楽しい。
早めに到着したので、ここで朝食をいただくことに。
カフェテリアの女性が大変親切でした。
ザバイオーネ(お酒香るカスタードクリーム)が入った大きめのコルネットも、カップッチーノも、素晴らしく美味しかったです。

カフェテリアのペーパーナプキン、さりげなく宮殿のイメージカラーのブルーで統一感。
友人のRさんとも無事に再会でき、お互いの近況報告。
Rさんから思いがけないプレゼントもいただきました。
イタリアならではの美味しいチョコやキャンディーのセット、さりげないけれど、洗練されたイタリアの味をいつも教えてくださる方です。
いただいたプレゼントを絵にしたので、次回に渡せますように。
さらにRさんとのおしゃべりで、ブックストアの本の話題も。
la Repubblica のガイド「 LE GUIDE / ROMA MONTI 」 、混沌としたMonti地区の観光地やショップなどが網羅されていて、早速、購入しました。
カフェテリアでの楽しいひと時。
Rさんの優しさで、旅の疲れがふわっと飛んでいきました。
再会を誓い、私はメルラーナ通りをのんびり歩いて帰りました。

メルラーナ通り沿いにある修道院のチャペル。

華やかなウィンドウ、美味しそうなチョコレート。
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ローマの空色に染まる、メルラーナ通りのブランカッチョ宮殿の窓。
メルラーナ通りのモンティ地区側でひときわエレガントな建物は、ブランカッチョ宮殿 Palazzo Brancaccio 。
「ローマ貴族が建てた最後の高貴な館」と呼ばれます。

Francesco Gai : La principessa Elisabeth Brancaccio con i figli nel giardino del palazzo a via Marulana (ca.1884)
観るたびに胸がキュンとなる一枚の絵。
ブランカッチョ宮殿を建てたサルヴァトーレ・ブランカッチョのお妃でアメリカの大富豪Field家の娘、エリザベス(メアリー)と、3人のこどもたちの姿をロココ調に描いた肖像画です。
この絵に描かれた風景は、メルラーナ通りのブランカッチョ宮殿の庭。
彼女は、美しい庭のイメージや 劇場 の 建設にも関心を寄せたとのこと。
現在のブランカッチョ宮殿は、華やかな催事場として使われています。
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この日の夜は、オスティア在住の親友Fさん夫婦と会食の予定がありました。
ところが、Fさんが予定していたお店の予約ができないとの連絡があり。この夜は St. Valentine’s Day でどこも満席で、私からもいくつか候補を提案し、探しました。
朝にメルラーナ宮殿でお会いしたRさんにも相談し、ご縁で、日本食の老舗店「六甲」さんが、特別にお席をつくってくださることに!
Rさん、シェフ、六甲さんの皆様のあたたかさに心から感謝しました。

Fさん夫妻も大感激で、美味しい天丼、カツ丼、お味噌汁に舌鼓。
●日本食レストラン 六甲
Ristorante Rokko Roma , Cucina Giapponese Tradizionale
住所:Passeggiata di Ripetta, 15, 00186 Roma
ポポロ広場から徒歩、テヴェレ川沿い
六甲さんの近くのテヴェレ川沿いの素敵なお屋敷。
日本でも滅多にいただかない、大好きな海老天のお丼を食べ私は大満足。
Fさん夫妻もお丼とお味噌汁を完食で、お店の雰囲気や、スタッフのあたたかさ、玉砂利を流したアクリルのテーブルなども気に入って、大変喜んでいました。
食後にFさん夫妻の思いがけない提案。
「Mary、マリトッツォを食べに行こうよ! 僕たちの青春の味だよ。」
マリトッツォは生クリームたっぷりのブリオッシュ。。。
食べられる自信は全くありませんでしたが(笑)、以前から、行きたいお店のリストに書いたお店でもあって、トラステヴェレ Trastevere 駅の近くの Bar Il Maritozzaro まで夜のドライブ。
Fさんのご主人のBさんによると、医学生の頃、ディスコ帰りの深夜によく食べた青春の味だそう。
思い出のお店に連れて来てくれるなんて、嬉しいな。

素晴らしい手つきでマリトッツォを作る職人さん。日本のTVに取材を受けたと話してくださいました。許可をいただいて撮影。
できたてのマリトッツォ、さすがローマっ子の集うお店で絶品!
帰りの車内では、ラジオから流れる曲を3人で歌いながら、B&Bまで送ってくださいました。再会を誓って。
翌朝は、テイクアウトした半分のマリトッツォで最高に幸せな朝食でした!