Mari Mochizuki

DIARY:私のローマ / 地図を歩く その3

ヴァチカン図書館の現代美術ギャラリー

 


 

 

 

 

ローマへ今すぐ飛び、観たい展覧会があります。
残念ながら、それは、今の私には叶えられないでしょう。

 

ヴァチカン図書館で開催中の
ピエトロ・ルッフォ氏の Pietro Ruffo(ローマ在住)の展覧会
「EVERYONE: Humanity on its way」2022年2月25日まで。

15世紀に創設された世界最古の図書館のひとつ、
ヴァチカン図書館に現代美術のギャラリーがオープンしたのです。

このギャラリー創設の コンセプト が教皇様から発信されています。

 

 

 


ピエトロ・ルッフォ氏 Pietro Ruffo といえば、
身近な素材を用いて絵画、立体、ペン画などの創作を行う作家で、
ここ数年では、フランスのファッション ブランド「DIOR」 との活動が
(舞台装飾、舞踏会のための衣装デザイン、テキスタイルデザインなど)
注目を集めました。

DIORはデザイナーのカール・ラガーフェルド亡き後、
ローマのブランド「 ヴァレンティノ 」で長年活動していた
マリア・グラツィア・キウリ氏 Mari  Grazia Chiuri を抜擢したので、
ローマとのつながりもあります。

 

又、ルッフォ氏は 昨春に、
ガレリア・ロカン・オニールで 個展を開催しました。
私もこのブログで 紹介 したことがあるローマの現代美術ギャラリーです。

 

 

 

 

 

インスタグラムでのルッフォ氏や、
美術史家 コスタンティーノ・ドラツィオ氏 Costantino D’Orazioの投稿によれば、
ルッフォ氏はヴァチカン図書館の古く美しい本棚に、
オリジナルの植物画を本の表紙に見立て、
知や心の森の空間を創り出しています。

 

 

 

多様な人々の感性を反映した、モザイクのような新しい美が求められる時代に、
真摯なルッフォ氏の作品はぴったり。
ギャラリーの杮落としにふさわしい展示と感じます。

 

この本棚の作品の他にも、ルッフォ氏の制作した天体地図、
ローマ教皇庁のコレクションから中国の世界地図、
インドの天文巻物が展示されるそう。

 

 

 

ヴァチカン美術館は、私自身は今までに数十回は足を運んでいて、
拝観する度に新たな発見や気づきがあります。
一方で、どこに何が展示されているかは大まかに把握していて、
以前に出かけた ナイト・ミュージアム のように特別な機会がなければ、
わざわざ足を運ばなくても良いかな、と思いがちでした。

 

あの美しいヴァチカン図書館(ヴァチカン美術館内に隣接)に
現代作家とのコラボレーションの空間が誕生とあれば、再訪するのが楽しみに。

フランシスコ教皇様は、ユリウス2世とは違った一石を投じ、
ローマは益々、アートの街として輝きます。

 

 

 

 

 

 

 

さて、今すぐローマへ飛べない私自身はというと、
現在進行中のプロジェクトや、来春開催予定の個展のための制作があり、
それらを精一杯励むのみです。

 

 

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